【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。
頬を優しく撫でられたり、睫毛をまじまじと見られたりと、とても恥ずかしい。
顔が熱い。
「あ…そうそう!」
ビックリしたように目を見開くと、にんまりと蕩けそうな笑み。
小さく傾げながら彼女を見つめる。
「朱里お嬢様ファンクラブ会長なのよ、あたしっ♪」
え、ファンクラブ?
私のファン、クラブ…??
頭に浮かぶのは大量のハテナマーク。
「ってことで~♪ お写真一枚、よろしいでしょうか?」
携帯電話を構えて、じわりじわりと私を追い詰めていくレイ。
な……っ!?
に、逃げなくちゃっ!!
そう思う前に、身体が危険を察知して足が勝手に走り出す。
「しゅりりーんっ! 一枚だけだからぁ!!」
「嫌、来ないで! あっち行って!!」
嫌だけど、すっごく嫌だけど…何故だろう?
憂鬱ではないわ。
自然と笑みがこぼれた。