【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。
▽お嬢様の仰せのままに。
お嬢様のお部屋の隣にある、少し小さめのお部屋。
ここが、私。
五十嵐 零の部屋でございます。
あまりモノという物は置いていません。
目に留まるものは、ベッド、本棚、大きな鏡くらい。
只今、5時丁度。
執事の朝は早いのです。
夜は遅いし、朝は早い。
人気芸能人と同じくらいハードな日課だと思われます。
さて、まずは着替え…
「れーーいーーっ!」
お嬢様の鬱そうなお声が部屋に響き渡る。
私とお嬢様を遮る壁だけ、特殊に壁が薄いので五月蝿いくらいに聞こえます。
お嬢様の、普通の大きさならば可憐なお声が。
「まったく世話の焼けるお嬢様だ」
素早く燕尾服に着替え、お嬢様の部屋へ向かう。