【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。



怒り爆発寸前の私に、

「ちらりと覗いていたのを見かけただけですよ」
そう冷静に言い放った零。


「…本当?」


「えぇ。私、お嬢様には嘘はつきませんよ」



私には……??

" 特別 "そう言われているようで、少し嬉しくなってしまう私がいる。



「カバン…とって」



そう言いながら、ほころんでしまう顔を隠すように下を向く。

私って、意外とゲンキンだったのね。



「お嬢様、御鞄でございます」



横に静かに置かれたカバン。

なぞるようにそっと抱き寄せ、漫画を取る。



視線を感じ、横を見ると零と目が合った。
そして零は首をかしげながらにっこりと笑う。



「その…読み終わって暇になったら、また呼ぶわ」




< 62 / 202 >

この作品をシェア

pagetop