【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。
最近の私は、零に頭が上がらない。
些細なことで顔は赤らめてしまうし、零はいやらしいし。
本当にいいことなんてない。
さっと手際よく結ばれたリボン。
「お嬢様…本当に学校へ登校なさるのですか?」
結び終わったと同時に、零の心配そうな声が聞こえた。
過保護な執事。
「行くって言ったら行くわ。ファンクラブとやらを潰しに行くのよ」
「そうですか。お嬢様のファンクラブですか…」
顎に手を沿え、何か考える素振りをしはじめた零。
いちいち格好よくて本当に苛々する。
どれだけ私を惑わせば気が済むのよ。
「えぇ、目障りよね」
「…そのファンクラブとやらには男はいるのでしょうか?」
「さぁ? そこまで知らないけど…」
「男がいるのなら、私が潰したい気分です」
へ……?
予想外の言葉に、俯いていた顔を上げる。
にんまりと孤を描いた口元。
笑ってない目。