LeD LiNK
「し、死ぬ・・・」
「なにやってんの、みーくん」
「また本のネタですか、小此木先輩・・・」
先輩、というか、端から見たら文学少女にしか見えないんじゃないだろうか、この人。
大学についたのは登校するのにはまだかなり早い時間で、僕は歩き疲れて死にかけていた。
「まったく、みーくんはまだまだね」
「あなたに言われたくありませんよ・・・。なんで医学部に入ったんですか、文芸のが似合うのに」
「そんなの、Dr.コ●ーに憧れたからに決まってるでしょう?」
ダメだこの人。早急になんとかしないと・・・。

「で、真代くん。あなたの昔住んでた場所よね?」

「・・・例の災害ですか」
「ええ。私も気になったから、色々調べていたんだけれど・・・あの災害をずいぶん前から予測してた人もいたわ」
「えっ・・・!?」
何を、
「本当よ。こうなることを見こしていた人もいたわ」
「っ・・・じゃ、じゃあ・・・助けられたかも、しれない、と・・・?」
「その前に、ああなることを知っていたとして、いつ起きるかは分からないでしょう?」
「っでも!」
「あなたは何も、悪くないわ」

小此木先輩は、天使のような微笑みを浮かべる。
だけど。
僕はもう、後悔に囚われているだけだった。
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