四王寺学園記
「「うわ…。」」

「吹き抜けてるよ薫。」
「シャンデリアだよ楓。」

「校舎も凄かったけど…」「寮も凄いね…。」



「そこのお二人さん、そない所でどうしたの?」
二人がボーっとしていると、女の人がドアからひょこっと出てそう言った。

「君達…もせやけど北原ちゃんと前野ちゃん?」

「「は、はい。」」

「あっててよかった。
ウチはここの寮長の安藤あすか、や。よろしゅーね。…あれ、副会長サンは?」
「えっと、仕事で…。」

「せやったか~。えらいやったでっしゃろー。さ、そこじゃ寒いから部屋ん中入って。」
「「あ、ありがどうございます。」」



_______



「ちと、待っててね。二人ともコーヒー飲める?」
「はい。楓も飲めるよね?」
「うん。」
「ん。リョーカイ。」



「楓…ホントにこの学園美形が多いね。私、驚かなくなってきたよ。」
「寮長さんも綺麗な人だよね…。なんか顔が関西弁に合ってないけど。」

「いい人も多いよね。」
「うん。アイツを除けば。思い出したら腹が立ってきた。会長だからって…。」

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