四王寺学園記



「う、あ…。」

はっきりと言われ、楓はなんとなく恥ずかしくなった。




「しかも”あの”会長とでしょー!?」

「う、うん…。」

「楓が…見ないうちに大人になって…。」


薫は泣きそうな勢いで楓に彼氏が出来た事に感動している。さながら楓の母のようだ。





「…薫も、私にそんな事言うけど有巣川先輩と付き合い始めたんでしょ?」

反撃するような気持ちで楓が言った。すると薫の頬がふにゃりと緩む。



「そうなのよ~。もう、聞いてよ楓!!先輩が私の事好きだって言ってくれてね、君をもう離さないとかって言っちゃって!!キャ…カッコよかったな~…。」



薫の頬は桃色に色付き、目はキラキラと遠くの方を見つめている。手を体の前で握り、まさに乙女。


< 145 / 164 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop