四王寺学園記
6月



「あ、お帰りなさい。」


「ただいま。」


相沢は楓に制服の上着を手渡し、楓はそれを笑顔で受け取る。

この光景は日常化していた。






二人が思いを通わせてから早二週間。

最初は楓が相沢と付き合うのに反対していた人達も大人しくなり、最近は二人を応援する会なんていう親衛隊もどきも出来上がっているそうだ。



薫達の状況も変わらないようで、薫はいつも大量のプレゼントに頭を悩ませている。

聞くと、そのプレゼントは”二人の末長い交際を願って”や”応援しています!!”などの内容なので捨てるに捨てられないとか。

ちなみになんで楓達の所に来ないのかと言うと、親衛隊もどきの中で抜け駆け禁止令がでたからだそうだ。


とにかく平和な日々だった。





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