四王寺学園記
4月
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一に外見
二にお金
三が家柄のこの学園、【全寮制四王寺~しのうじ~学園】

幼稚舎から大学まで揃っている超難関エリート学園にやってきたのは2人の少女。
1人は興味深々に、1人は少しびくびくしながら、学園の門を通った。




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「ね、ねぇ、薫。なんか私達見られてる気がするんだけど…。」

自身に向けられる数多の視線を感じ、北原楓は一緒に受験・入学する親友、前野薫に助けを求める。

「何言ってんの、当り前でしょ。さっきの受付の人から聞いたんだけど、今年の外部生って私達2人だけなんだよ?エスカレータ式で周りはみーんな知ってる奴ばっかのとこに知らない奴が居たら誰だって見るじゃない。」

「私達、だけ…!?」
「そう。まぁ、こんな山ん中の辺鄙な場所にある全寮制高校なんて来たがらないよねぇ。お坊ちゃん、お嬢様ばっかの偏差値70越えエリート金持ち校なんて。」



「う、…そっか」
楓はなんとなく寂しくなった。確かにこの友人の言う通りかもしれない。


「でもさぁ、楓。…必死に勉強した甲斐があったよね!見てよあの校舎!どこぞの漫画のお城みたい…!王子様とか居たりして。」

「だといいね~。」


テキトーに相槌を打つ。まったく知らない土地に来ても相変わらずハイテンションな親友に、楓はばれないように溜息をついた。

「ハァ…。」

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