四王寺学園記
「(え、え?さっきの悲鳴…歓声?は?)」
「俺が高等部の生徒会長、相沢尋和だ。お前らも小せぇ子供じゃねぇんだから、グダグダ言わなくても分かるだろう。
俺から言う事は1つだ。お前ら、“今”を楽しめよ。」
ニヤ、という表現が正しいような笑みを浮かべ相沢は舞台から降りてくる。
その間中、耳を塞ぎたくなる程の拍手が会場を占領した。
「…ねぇ、楓。あの人さ、俺様っぽいけどイケメンダッタネ。」
「うん、私も思った。」
_______
「高等部についての説明、副会長、有巣川涼君お願いします。」
『キャーーーー!!!』
またか。
しかし、悲鳴も納得できる。舞台に上がった副会長と呼ばれた男はかなり整った顔をしていた。口元には柔らかな笑みを浮かべている。金髪青目でなんというか…”王子様”という感じだ。
「(何なんだ、この学園…イケメン多すぎやしないか?。)」
「きゃ、」
薫が隣で周りの人と同じような声を出した。
「!?か、薫?」
「かっこいい……。」
目がハートマークになっている。
…副会長に一目惚れしてしまったようだ。
確かに有巣川涼は薫が好みそうな容姿をしている。
それにあの柔らかな笑み。あれを直でくらって平気でいられる女子がいるだろうか。実際、楓も少しドキッとした。
隣で目をキラキラさせている親友に楓は心の中で、ガンバ。応援するよ。とエールを送った。