四王寺学園記
楓の頬に相沢の手が触れる。
「野菜のカス、ついてた。」
相沢の手には人参の皮が付いていた。
「へ!?あ、あ、りがとうございます…。」
「(吃驚した…。)」
この後は沈黙が続いて二人とも喋れなかった。
相沢はもくもくと食べていただけだけれど。
「うまかった。ごちそうさま。」
「お、お粗末さまです…。」
「北原、お前親衛隊に会ったか?」
「へ、え!?ま、まだだと思います。」
「そうか。たしか、石坂と三井と柴山だったと思う。柴山は男だ。」
「おとこ!?」
親衛隊って女の子じゃないの!?
「そうだ。変わってるんだよ、アイツ。男なのに俺に好きとか言ってきて。」
「え……。」
「お前、柴山と喋んなよ。」