四王寺学園記
5月
「ぇーと言うことで、今年の歓迎会は…ダンスパーティーになりました。」
黒板の前でホスト…もとい、Sクラスの担任が紙を見ながら言った。
『やったー!!』
『まじで!?』
騒ぐクラスの人をボーっと見ながらふぅ、と楓は息を吐いた。
あの後会長とは普通に話すようになった。皆に同室が会長だってこともばれていない。
柴山と言う男の子にも接触していない。でも、見たら女の子のような可愛さだった。目がくりくりしていて、小さくて。典型的な美少女って感じだった。
最初の頃は他のクラスや先輩が二人の事を見に来たりしていたけど、最近は落ち着いてきている。
クラスの皆も親切にしてくれる。薫と岬以外に友達も出来た。順調に学園に馴染みつつある。
「…ぇで、かえで!」
「ふえ!?な、何?薫。」
「もう、聞いてなかったの!?」
「え、ごめん。」