四王寺学園記
「もう、いいよ。いつもの事だしね。
で、ダンスパーティーだってよ!!」
「へ、へぇ~。」
薫が目をキラキラさせている。
「楓は誰とぺア組むの?」
「ペアなんて決めるの?」
「そうだよ。さっき先生が…って聞いてなかったんだっけ。皆ペア決めて踊るんだってよ。」
「そうなんだ。私は…ていうか私とペアになりたい人なんていないよ。」
自嘲気味に笑う。
「ハァ…。とにかく、今日から1人になっちゃだめだよ?楓は危ないから。(大人数に誘われて大変なコトになるのは目に見えてるから…楓はあたしが守らなくちゃ。)」
「え?…う、うん。」
理解できなかったが、薫の気迫に押され頷いた。
_______
「ねえ楓、聞いた!?当日はドレスなんだって~!」
薫は顔を赤らめながら言った。
「…え、ドレス?」