金星
ぶりっこ by jum
亜季は3つ年上の大学生だ。


亜季と出会ったのは、高校入ってすぐの頃。

高校の学食が不味かったので、

タケルや友達数名で、近所の大学の学食に侵入しよう企画を実行した。


そこでたまたま同じテーブルでご飯を食べていたのが亜季だった。


まわりのテーブルでは、友達同士で騒がしくご飯を食べている人たちが多かったが、亜季は一人だった。


やべー美人じゃね? お姉系ってやつ? 声かけるべ!

とひそひそ声での相談の結果、タケルが代表で、

学校案内してください、もしくは番号教えてください! とナンパを試みた。


しかし、

「西高の制服だよね? 学校戻らないとごじかんめが始まっちゃうよ~」

とさらりと交わされた。


――ん?


「じゃーね」と亜季はお盆を持って立ち上がりながら、

椅子にかけていた俺のブレザーのポケットに、こっそりメモを入れていた。
< 108 / 358 >

この作品をシェア

pagetop