金星
今日、亜季は寂しくてまた別の男と寝るんだろうか。

それとも、一人に耐えられず、手首をまた切るのだろうか。


でもそれを助けてやれるのは、俺なんかじゃない。


しかも俺を同じ傷を持った存在と勝手に思い込まれて、

依存されても困るし、

かといって本気で好かれても面倒くさい。


「お前も早く本当の好きな人見つけて彼氏作れよ」


「うん、わかった。バイバイ、潤一」


そもそも本気の好きって何だろうか。

俺には分からない。



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