金星

「いや~潤ちゃんと彼氏彼女になれてうれしーな!」


「なってねーから! 黙って食っとけ」


「え~? あれれ~? 潤ちゃん照れてるの~?」


「どこをどーみたら照れてるよーに見えるんだよ」


と、こんな感じで、

アズミに彼女の振りをしてもらって、

亜季に話をつけることができた。


たぶん、これで大丈夫だろう。


階段から突き落されたお詫びも兼ねて、

アズミに何かおごってやることにした。


「でもさっすが潤ちゃんだよね~、あんな美人な女子大生とお知り合いとは!」


「……おい、お前、髪の毛パフェについてるぞ」


「ほえ?」


俺は向かいに座っている、

アズミの長い巻き髪の先に手を伸ばし、一束つまんだ。
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