金星
タン、タン、タン。

屋上の扉へと向かう最後の階段を昇る。


この先には気持ちの良い青い空気が広がっているはずなのに――



隆一はあたしの11番目の彼氏。

つい1か月前、

高校入学と同時に一目ぼれをした。


出会ったのも屋上。


「君、新入生?」

「は、はいっ」


明るいオレンジの入った茶髪。

鋭い目が笑うと線のように細くなった。


でも、今では――
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