金星

「ほぇ~、結構おしゃれな店じゃん」

「こういう穴場の店知ってるとこが、さすが潤一だよな~」


窓際の席に案内されたため、

街を歩いている人たちを眺めながら、

あたしとタケルはバナナパフェ、潤一はモンブランを食べる。


うん、美味い!


「ねーやっぱりあたしってヨシヤにうざがられてるのかなぁ~」

「う、うーん、ちょっとヨシヤっち忙しいだけっしょ~」


しかも、タケルに恋愛相談をしていたら、

ちょっと気が落ち着いてきた。


しかし、

「お前さ、いっつも彼氏彼氏って。本当すげーよな」

モンブランをフォークで崩しながら、潤一は言った。

「他にやることとかないの?」


カチーン!

やっぱりコイツむかつく!


「いーじゃん、好きだから一緒にいたいって思うの当たり前でしょ?」


とあたしは返したけど。

そっか。

潤一って人好きになったことないんだっけ。
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