金星
「まま、価値観の違いってやつじゃん~?

それよりも俺トイレット!」

タケルが席を立つ。


潤一と向かい合わせで2人になる。

「潤一は最近どうなのさ~、彼女何人くらいになってるの?」

とりあえず場をつなぐためにも、あたしから潤一に話しかけた。


「あ? そーだなー」

珍しく、潤一が何か考えこんでいる顔をしている。


「俺は最近休業中だなぁ」


「へー珍しいー! 病気でもうつされたの?」


「あほか、ちげーよ。

ま、お前みたいなガキには分かんねーだろうな」


「もう、なーにそれ! ……ん? どしたの?」


またもやイラっときたが、

気が付いたら潤一が窓の外を見ていた。
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