金星

「おめぇ、おっせーよ。待たせてんじゃねーよ」


「ご、ごめんなさい」


「もーいい。お前もういいわ。じゃあな」


「……なんで!? 嫌だ!! あたしだめなとこあったら直すから!」


「お前、そーゆーとこ重い」


「へっ……?」


「俺、お前みたいな奴とは合わねーんだよ。悪いけど、じゃあな」



ダボダボの制服が遠ざかっていく。


少しずつその姿が霞んでいき、

屋上から消えていってしまった。

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