金星
そう言って、珍しくその目は優しく細められる。


ほどよいパーマがかった茶髪。

ぶっきらぼうな話し方。


こいつにアドバイスなんかされたくないけど……。


これだけ格好いいし、根は悪い奴じゃないっぽいから、

普通の女子だったら絶対惹かれるはずなのに。


『俺、人好きになったことないから』


どっかで潤一が言っていた言葉。


何がコイツから人を好きになる気持ちを奪っていったのだろう。



「いや~トイレット混んでてさ~」

と、気づいたらタケルが戻ってきていた。

やっと平和な会話に戻れそうだ。


そのまま、3人で話がはずんだので、

ママに今日は遅くなるかも、とメールを打っておいた。
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