金星
いつも通りの絵文字いっぱいのメールがいきなり来なくなって、

喫茶店で優奈と一緒にいるのを見られては一目散に逃げられて、

ふと甘いもの食べたかった時にメール送っても無視されて。


「別に避けてなんかないよ!

だって潤ちゃんみたいな人があたしなんかと一緒にいても……」


「俺はお前といて結構面白いよ」


これは、素直な気持ちだった。


「やめてよ! もう優しくしないでよ!

今日あたし、潤ちゃんにけじめつけるために来たんだから」


立ち上がって俺の方を振り返るアズミ。

その目からは涙があふれていた。


マスカラとかもろもろ流れ落ちそうで、

なぜかちょっとハラハラした。


「お前、どうし……」


と言いかけたところで、アズミが俺に駆け寄ってきた。


「潤ちゃん、アズミを抱いてよ……」
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