金星
「あたし、潤ちゃんのこと好きなの!」

面白キャラだし、こいつは対象外だから抱けないのか?


いや、違う。


「はいはい、ありがと。まあ、俺格好いいもんな~」


「違う!」


冗談っぽくかわそうとしたが、

涙がまざった大声でアズミは否定した。


――どくん。


何故か心の奥が

ぐちゃぐちゃしてきた。


「俺と付き合うのってステータスになるとかだろ?」


あれ? 何言ってんだ俺。

アズミの甘い匂いに頭がやられてきたのか?


「ひっく、ひっく、何でそんなこと……言う」


「じゃあ、何だよ。俺、好きとかそういうのよく分かんねーんだよ」

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