金星
アズミの髪の毛を撫でていた手が急に動かなくなった。
むしろ、その手が勝手に震えている。
――ドクン。
頭が痛い。
今、自然とアズミにキスしたいって思った。
自然と?
何で自然とそうなるんだ?
俺の変な様子に気づいたのか、
アズミがうっすら目を開けた。
「潤ちゃん?」
「……ごめん、ちょっと離れろよ」
だめだ、このままアズミと一緒にいたら、
アズミが消えてしまう――。
は? そんなわけないだろ?
何考えているんだ俺は。
あー! 訳分かんねぇ。