金星
「どうしたの? 潤ちゃん震えてるよ」


「いいから、離れろって!」


気が付いたら俺は叫んでいた。


キスなんて今まで色んな女としてきたのに。

何で、アズミに触るのが、

こんなに怖いんだ?



「ひっく、ひっく」


いきなり拒絶してしまったせいか、

アズミは俺の足元に座りこんで泣いていた。


雨のせいか、日が暮れてきたのか、

さっきより部屋の中が暗くなっている。
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