金星
加奈をちらっと見ると、真っ赤になっていた。
「ゆ~う~な~の~ば~か~」
加奈はなぜかあたしの後ろに隠れて、
タケルから姿を隠そうとしていた。
「何々~楽しそうじゃん? ってか俺のこと呼んだー?」
「あははっ、呼んでないって!」
とあたしがごまかすと、
「珍しいな、お前女の友達いたんだ」
と、潤一が嫌味っぽく言ってきた。
ム、ムカッ。
確かに友達少ないけど……。
でも加奈がいるから今日は怒らないでやるか。
「ちなみにこの子は隣のクラスの加奈だよ~」
あたしは加奈を引っ張り、
タケルの前に差し出すようにして、紹介した。
ちなみに、潤一は自分の席に早々と戻って行った。
「こ、こんにちは~」
緊張しているのを頑張って押し殺しているような加奈。
か~わいいな~!