金星

「へぇー、良かった! 志望校受かったんだね!!」


「うーん、実は第一志望は落ちちゃって、結局第二志望の微妙なとこ行ってるよ」


「え? 第二志望って?」


聞くと、全然あたしじゃ手の届かない、有名な私立大だ。


「やっぱり朋宏は頭いいよね! すごいよ!」


「そんなことないよ。ちなみに優奈これから時間ある? せっかくだしどっかで話さない?」


「うん、もちろん!」


コンビニを出て、住宅街に挟まれた近くの公園に向かった。


「ここ懐かしいね~」


朋宏と付き合っていた時、良く来た。

遊具が遠くに見える、緑の芝生が広がる公園。


「優奈、良くあこのへんで転んでたでしょ」


木製のベンチに座りながら、

芝生が少し小高くなっているところを朋宏は指差した。


「転んでないって。よくつまづいてただけだし!」


そう言ってあたしがいじけると、

朋宏は昔と変わらない、柔らかい笑顔をあたしに向けた。


少しだけ、あたしの心臓が高鳴る。

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