金星
外からは明るい光が差し込んでいる。
喉の奥から、心臓の音が漏れているような気がした。
朋宏の手があたしの頬に触れる。
「優奈は全然変わってないって、さっき言ったの、嘘だよ」
そのまま、その手はあたしの後頭部へ回される。
「……へ?」
体が朋宏の方へ引き寄せられる。
「前よりも、大人っぽいっていうか、可愛くなっててびっくりした」
耳元でそう囁かれた時、あたしは全身が熱くなるのを感じた。
「優奈、好きだよ……」