金星
「えー!? すごい! これ作ったの?」
トーストに、ハムエッグとオニオンスープ。
「まあ、余り物でつくったから、微妙なメニューかもだけど」
朋宏はすごいなぁ。
いろいろと完璧にこなすなぁ。
「じゃ、優奈そろそろ行かないと、遅刻しちゃうでしょ?」
――帰りたくない。
「……」
「今日俺バイトないし、また遊びに来なよ」
切なそうな顔をしているあたしに気がついたのか、
そう言って、朋宏はあたしに優しくキスをした。