金星
突然の別れ by jum
――あった。
詰め込まれた本棚に囲まれた親父の部屋。
本棚ではなく、大きな机の一番下の引き出し。
小さなアルバムを見つけた。
そのアルバムの始まりは、
ベビーカーに乗っている赤ちゃん――たぶん俺。
若いころの親父。
そして、
綺麗な女の人。
同じような写真が何枚か続き、
次に目についたのが、
たぶん2~3歳くらいの俺らしき子どもが、
さっきの綺麗な女の人と手をつないで歩いている写真。