金星
「そーいえば、潤一ごめんね、この前パフェ行けなくて」
「あー別にいーよ」
「あたしに相談したいことって何だったの~? 気になるんだけど!」
「あー別に何でもねーよ」
「何さー、人が幸せだからって冷たくな~い?」
「あー別にいつも通りだよ」
優奈が隣の席から、ぶーぶー話しかけてくる中、
俺は優奈の腕捲りしたシャツから少し見え隠れしている、
肘のあたりの不自然なあざを見つめていた。
「彼氏とはどーなん?」
ふと俺は優奈に聞いた。
「ん? 上手くいってるよ! 超ラブラブ。あ、メール来た」
優奈はノートをほっぽり出して、携帯をいじり出した。