金星
「ちょ、落ち着けって。……じゃ、どーしたら良かったんだ俺は」

優奈の意外と本気なリアクションに再び戸惑う俺。


「簡単だよ! ぎゅーって抱きしめてあげればよかったんだよ!!」


パフェ用のスプーンを俺に向けて、優奈は言った。


「はい、分かりました」


面倒なので、全部同意しておくことにした。


「ってか今の話びっくりした。潤一もいろいろあるんだね。ただ遊んでるだけかと思ったけど」


少し落ち着きを取り戻したのか、再びパフェの底をスプーンで探る優奈。


「ちなみにお前はどーなん? 新しい彼氏と同棲してるんだろ?」


「え? 何で知ってるのー!?」


さっきまで泣いていたくせに、すぐに真っ赤になって照れる。

忙しい奴。

< 197 / 358 >

この作品をシェア

pagetop