金星

「……潤一~」


ガラっと、教室前方の扉を開けて、タケルが戻ってきた。

ふらふらっと、俺の席の方向へ向かってくる。


「……」


俺は、何にも言わずに、タケルを抱きしめてやった。


「絶対、優奈ちゃん、彼氏から暴力ふるわれてるから、潤一ちゃんと守ってあげて」


そう言って、タケルは転校して行ってしまった。
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