金星

「なーにー? 2人いつの間にか仲良くなっちゃってるのー!?」


優奈はいつも通りの声で明るくそう言った。


駅前のパルコにスタバがあったので、

そこで、久々に優奈と待ち合わせをした。


「優奈、久しぶりー!!」

「加奈~!! 久々だねー。あ、ついでに潤一も」


夏休みシーズンだからか、店内には高校生らしき客が多い。


ノースリーブの少しフリルがついたワンピース+スキニージーンズの加奈に対して、

冷たそうなフラペチーノを片手にした優奈は、

長袖のパーカーを羽織っていた。


「ほら、夏休みの宿題持ってきてやったから」


俺は問題集が数冊入った紙袋を丸テーブルの上に置いた。


「うげ……ありがとー」


「優奈……」


加奈は下を向いて今にも泣きそうな表情になっている。
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