金星
「とりあえず、朋宏ってやつがここに来るのも時間の問題だから、
しばらく別々で暮らすってこと伝えて、今日は帰ってもらえばいいんだべ?
その時、また向こうがキレてきたら、一応俺が応戦するし」
座り込んでいる2人に、できるだけ優しい口調で俺は言った。
「うぅ~悪いよ~。
しかも潤一ってケンカとかするような人に見えないし」
優奈が再び口を尖らせて、俺を横目で見る。
少し、その目に安心感が戻ってきたような気がした。
「ああそうだ、親父にも殴られたことねーよ」
俺が自信満々にそう言うと、
優奈は軽く笑った気がした。