金星

「……うっす」

次の日、隣の席で数学の宿題をしている優奈に声をかけてみたが、


「……」


返事はなかった。


俺、何か悪いことしたっけ?


騒がしい朝の教室で、一人だけ真剣に机に向かっている優奈を見ながら、

まあ、こいつのことだしすぐコロっと忘れるだろう、と思った。



ってか、宿題なんてあったっけ?

やべ、やってねー。

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