金星
二面性 by yuna
朋宏が加奈の家に来る前に、あたしたちは外に出た。
近所に車がまばらに泊まっている駐車場があったので、そこで朋宏と会うことにした。
静かな住宅街、午後11時すぎ。
明かりが灯っている家と、そうでない家が半々くらいってところ。
心配そうな顔をしている加奈と、
相変わらずムカつくけど、今日はちょっとだけ優しい潤一。
「優奈、大丈夫?」
「いざとなったら警察連絡すりゃいーだろ」
もう、加奈には心配かけっぱなし。
本当にごめんね。
ついでに潤一も。