金星

カーテンの間から漏れる光で目が覚めた。

いつの間にか、自分の部屋の床で眠っていたようだ。


「……ん?」


俺に、ベッドの上にあった布団が丁寧にかけられていた。


「あいつ……!」


俺は勢い良く起き上がった。

ベッドには優奈がいない。


まさか――。


と思ったが、

台所からガタン、と大きな音が聞こえてきたので、

俺は部屋から出てその音の方へ走った。


< 259 / 358 >

この作品をシェア

pagetop