金星

その後、その子たちの母親らしき女性が玄関から出てきた。


ゆるく巻かれた黒髪の、40歳前後くらいの女性。

ふわっとしたカーディガンに細身のジーンズ。

背が高くてスタイルも良い。


「綺麗な人だね……」


思わずあたしは呟く。


もしかして、あれが――


「母、さん?」


潤一は、ぼそっとそう呟いて、

ただ突っ立っていただけだった。
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