金星
その後ろから、同じく40代くらいの髭が生えた男性が、
家から出てきた。
セミの声が鳴り響いている中、
先に子どもたちが家の前にとまっているミニバンに向かっていく。
買い物にでも向かうのだろうか、
普通の幸せな家族、という感じだった。
あたしたちとの距離は、5メートルくらい。
「潤一、あれがお母さん? 声かけなくていいの?」
思わず、突っ立ってるままの潤一に向かって、あたしは言った。
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