金星
ん?


地元の駅よりもはるかに人通りが多く、ざわついている構内。


声の方向を向くと、行き交う人の間、

仕事帰りっぽいOLと潤一が一緒にいるのが見えた。


「ちょっとだけお茶していこうよ~おいしいケーキのお店知ってるから」


ふわモテOL、みたいな?

よく雑誌に載っているような、巻髪でミニスカートの女性。


潤一はあたしに背を向けてしまっているため、

その表情はよく見えないが、何やらその女性と話をしているようだ。


すると、その女性は潤一の腕に自分の細い腕を絡めていた。


潤一はその腕を解くわけでもなく、

今日は予定あるんで、またお願いします、というように、

その女性をなだめているように見えた。


あたしは、ボーっと突っ立って、その2人の様子を見ていた。
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