金星

よく考えたら潤一って女遊びばっかしてたっけ。

でも、それはただ本気で人を好きになるのが怖かっただけでしょ?

ばか、何やってんのさあいつ。


そんなことを思っていたら、

目の奥がじんわりと熱くなってきた。


――何で潤一なんかにこんな思いを抱かなきゃいけないの?


悔しい……悔しい……。


何回か潤一から着信があったが、

今潤一と話したらいろいろと感情が漏れてしまいそうで、それを無視した。


それから、加奈とご飯行って朋宏と別れたことを報告したり、

ママと買い物に行ったりしていたら、夏休みが終わってしまった。


学校に行けば嫌でも潤一は隣の席にいる。
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