金星
「ちょっと、何がおかしいのさー!」
「要は、俺が他の女と一緒にいるの見て、嫉妬したってこと?」
「……ち、違っ」
俺は優奈に顔を近づけて、
「ばーか、あれは親父の会社の人だよ。社長の息子って知って近づいてくる女には興味ねーよ」
と言った。
「でもベタベタしてたじゃん」
「一応親父の会社の社員だし、ないがしろにはできないべ? 何だよ、まだ疑ってんの?」
「だって潤一遊び人じゃん。ヤ○チンじゃん」
ちゃんと事実を言ってやったのに、全然信じてくれない優奈。