金星

「あ？　お前のせいで最近遊んでるヒマねーし。しかも俺まじめになってきたべ？　gyabanだったらそれくらい分かるだろ」


「う……」


そう言って、照れてるような困った顔になった優奈を見ると、

自分のS心に火がついたのか、もっといじめたくなってきてしまった。


「それとも俺が他の女と一緒にいるの嫌なん？」


「……ち、違う～」


「本当は大宮まで来たくせに、勝手に勘違いして帰ったってことだろ？　急に約束ブッチされて俺だって寂しかったんだけどなぁ～」


「だ、だーから、それはごめんって……」


普段はうっさい奴なのに、こういう時は歯切れが悪くなるんだな、と思いながら、

自分でも気づかないうちに、心臓の音が大きくなっているのを感じた。