金星

「え?」


「むしろ好きかも」


「……」


そう俺が言った瞬間、クラスメイトが数人、教室に戻ってきたため、

俺たちは何もなかったかのように、急いで自分の机と向き合った。


今、優奈と2人っきりだったこの空間、

優奈に触れた感覚、話したこと、全て、

自分の中ではじめて生まれた感情の元にあった気がした。


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