金星

「実は、どーやら俺は、お前が昔好きだったやつに惚れかけてるかもしれないんだけど」


『ん? 俺が昔好きだった? …………』


「……ゆ『それって、優奈ちゃんーーーー!!!?』


俺が答えを教えてやろうと思った瞬間、

音割れがするくらいの大声が聞こえた。


「おま、うるせーよ」


『そうなんだー! とうとう潤一も女に惚れる日が来たんだな~。俺、実は潤一本当はホモなんじゃないかと……』


「アホか!」


思わずタケルの言葉が終わらないうちに

つっこみをいれてしまった。


『ごめ~ん。……幸せにしてあげなよ~。潤一ならできると思うけど』


「ああ」


『ちなみに俺っちは今たぶん加奈ちゃん好きかもだから、何も気にせず優奈ちゃんにアプローチしなよ~』
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