金星

「だってあたし、潤一がす……ふがっ」


気持ちを言葉にされる前に、俺は優奈の口をふさいだ。


「まあ、待て待て。俺だってさ、どーしたらいいかよく分かんねーんだよ」


これまでいろんな女と関係を持ってきたけど、

優奈に関しては、どうやって真剣に近づいたらいいかよく分からない。


「ふぇ……?」


俺は戸惑っている優奈に顔を近づけて、


「俺、お前のこと本当に好きになって大丈夫?」


と聞いた。


少し、自分の声が震えているのを感じた。
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