金星

すると、


「大丈夫だよ。あたし、潤一のこと本気で好きだから」


と俺の目にしっかりと焦点を合わせなから優奈が答えた。


「そっか、ってかもう……」


好きだし、と言いかけながら、

俺は優奈の唇に自分のを重ねた。



こいつを守りたい、笑顔でいてもらいたい、一緒にいたい、

いろんな感情がきっと唇からこぼれてしまってるだろう。



初めてキスした優奈の唇は温かくて柔らかくて、

触れた瞬間、心臓の音が早く鳴った。
< 340 / 358 >

この作品をシェア

pagetop