金星

優奈の体が少し固くなった気がした。


ただ、その唇だけは柔らかく、そこから俺は舌を滑り込ませた。

時々優奈の舌と絡み合いながら、その口内を優しく乱す。


「……っ、ん」


わずかな隙間から、優奈の吐息が漏れてきた。


道端でこんなことしてやーばいな、と思いながらも、

頭の中が優奈で満たされていくのを感じた。



その時、

「ちょ、優奈!?」

という女性の声で、俺は我に返った。
< 343 / 358 >

この作品をシェア

pagetop