金星
恋すること by jum
あまり長居するのも悪いので、話がひと段落してから、俺は優奈の家を出た。


ちなみに優奈の家の食卓に、GABANの特大コショウが置いてあるのを見て、

こいつやっぱりばかだなーと思った。

スペルずっと間違えてるっつーの。



「駅まで送るよ~」


玄関で別れようと思ったが、優奈も俺に続いて外に出た。


「いいよここで」


「えー、じゃあ商店街の入り口くらいまでならいいでしょ?」


「もう遅いべ? このへん暗いし危なそうじゃん」


それでも、優奈がぶーぶー言ってるので、

とりあえず、その膨らんだほっぺたへ1回、

その次に唇へ、軽くキスをした。


すると、目で何かを訴えながらも、黙ってくれた。

もう9月に入ったからか、気温は高いが、心地の良い涼しい風に包まれる。

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